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これからのクリニック経営手法(7)「訪問看護・訪問リハビリテーション」編

今回は「訪問看護・訪問リハビリテーション」の経営のこれからについてお話いたします。

『住み慣れた家(地域)で最後まで』
この実現が日本の医療・介護の目指す姿であり、その中でも今回のテーマである訪問看護・リハビリは重要な役割を担う事業です。

訪問看護・リハビリ経営の現状

超高齢社会が進み、病院のベッド数が減る中で、訪問看護事業所の需要は間違いなく増加します。ちなみに、ここ数年で増加傾向にあり、訪問看護事業所は、全国に7,092か所(2016年度推計)あります。

また、今後、国は2020年までに訪問看護事業所を9,000か所にまで増やすことを目指しており、訪問看護事業所は、需要が供給に追い付いていない成長期の分野であることは間違いありません。(※厚労省統計情報部より)

しかし、平成26年度の訪問看護事業所、廃止・休止事業所数は約400件と、多くの訪問看護事業所が、経営難に直面している現状があります。多くの需要があるにもかかわらずです。

訪問看護事業所の経営のポイント

では、経営に成功している訪問看護事業所はどのような仕組を取り入れているのでしょうか。
ポイントは、
(1)ICT導入による業務効率化
(2)採用力の強化による事業所規模拡大
(3)医療機関との連携
です。

(1)ICT導入による業務効率化
その中でも肝となるのが、ICTによる業務効率化です。
訪問看護事業は、医療保険と介護保険の両方を扱い、かつ不安定なシフトの中での経営となるため、ただでさえ、本来の看護業務以外の業務が過多になってしまいます。

 本来の業務以外が増える⇒残業が増える⇒看護業務に専念できない⇒モチベーションの低下⇒離職率の増加⇒…といった悪循環に陥って事業所の閉鎖につながっています。

その解決の糸口が、ICTによる業務効率化です。

 我々のお付き合い先では、開業当初から、ipadを各スタッフに配布し、ICTを活用した利用者情報やスタッフ間の情報共有を効率的に行うことで、それらの問題を解決しています。

例えば、
・直行直帰システム
・シフト組みのシステム化
・どこからでも請求業務ができる
・利用者情報をいつでもどこでも引き出すことができるシステム
などです

この仕組みを開業当初から取り入れることで、その後の経営において良い循環につながっていきます。

(2)採用力強化による事業所の拡大
次に重要なポイントが看護師・理学療法士等の採用です。
訪問看護・リハビリ事業は、規模の拡大が安定経営においての必須事項となります。

現状、全国の約6割の事業所が看護師5人以下の小規模事業所ですが、小規模ほど、収支の状況が悪く、業務の効率性が低いことが指摘されています。(※全国訪問看護事業協会;平成20年3月より)

その要因は、職員の退職による人員基準を守れなくて閉鎖する、利用者の相談が来ても柔軟に対応できず利用者を増やすことができないといったことが大きな要因です。

 それでは、どのような事業所が採用に成功しているのでしょうか。ポイントは、「働きがい」と「働きやすさ」を両立した雇用体系を作ることです。

我々のご支援先においても、
“しっかりと働いて収入を得たい看護師”
“家庭と両立して残業なく働きたい看護師”
双方のニーズに合わせた雇用形態の実現し、それを採用媒体で打ち出すことで、多くの看護師や理学療法士等を採用することができるようになっています。

 例えば、ご支援先のスタッフさんの事例を紹介しましょう。看護師のAさんは、子育て中であり、長時間の勤務は難しく夜勤の多い病院勤務から離れ、訪問看護事業所へ転職されました。現在は、自宅から訪問看護事業所には寄らずに直行直帰で働かれています。それを可能にしたのが先ほど述べたipadの活用で、どこからでも記録業務・算定業務ができるようにしています。他のスタッフとの情報共有もipad上で円滑にコミュニケーションを図ることができるようになっています。

理学療法士のBさんは、しっかりと収益をあげていきたいというニーズで入職されました。Bさんは一日に8件の訪問件数を実現しています。「当法人は、iPadを活用して事業所に行く時間を省くことでその分多くのご利用者さんへ訪問することができます。その分報酬にも反映されるので非常にやりがいがあります」と語ります。

このように、看護師・理学療法士等が煩雑な書類業務から解放され、本来の業務に専念でき、訪問件数をしっかり増やしたい方、家庭との両立をしたい方双方の採用に成功しています。このように多様な働き方を実現することで安定的に人材を確保し、規模を拡大していくことができます。

(3)医療機関との連携
 安定した経営のためには、集患の視点は欠かせません。集患のポイントは、ケアマネだけでなく、医療機関の連携先を持つことです。ただ、注意したいのが、大きな病院と強いつながりを持つのではなく、複数の診療所との関係性を作ることです。大きな病院とのみ強い関係性を持ってしまうと、医療機関が訪問看護事業を始めた場合、一気に利用者の減少につながってしまいます。そのため、一つの病院だけでなく、地域の複数の診療所と連携を作ることが安定した集患のカギになるでしょう。

最後に

これら、(1)~(3)に取り組むことで、ICT化による直行直帰を見据えた
業務効率化を導入⇒採用力強化⇒事業所の拡大⇒安定した経営⇒…この良循環を作ることがこれからの訪問看護事業所の経営のポイントとなります。

 訪問看護事業の需要は確実に増えていきますし、求められています。
上述したような運営体制を持ち、これからの日本社会の課題解決にとって非常に重要な事業を推進していただけると幸いです。

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